香炉の起源と種類
香炉とは諸佛菩薩供養のため、香を焚焼する器である。起源は古くインドに発している。その目的はインドが酷暑の地であり、身体に臭気を生じ、この悪臭を除去する為に香を焚焼し、又は香を身に塗布させていたものが、仏教に取り入れられるや、「香を焚く」「香を身に塗る」こと、それ自体が身の臭気を除く為と、仏への供養の為とに依って教理的意義付けの下に本義となすにいたった。このように香を焚くことが仏教に取り入れられるや香炉は供養具とされたものである。従っていずれの仏教経典にも香炉の名を見ることができる。
インドに起源をもつ香炉は中国、朝鮮を経て、仏教の伝来後、間もない時代に日本にも渡来したものと思う。日本書紀天智天皇八年之條にも、現在法隆寺に秘蔵する御物山背大兄王御所持と伝わる柄香炉(えごうろ)に依ってもあきらかであると思う。
尚材質には 金、銀、金銅、白銅、青銅、陶製、白磁、青磁、玉、瑪瑙、牙、
紫檀 など
種類上の分類
1博山香炉[hakusan]
この香炉の起源は仏教の須彌山を表した説、だが、恐らく博山炉は仏教本来の物ではなく、漢代の銅器であるものを仏教が香炉として用いたと思う。中国においてこの香炉が流行したのは六朝時代から唐代にかけてらしく、具体的事例は、大同、龍門の石仏を初め他の仏像がこの香炉を所持したり、台座に彫り出されているのを見ることができる。日本でも奈良時代には盛行したらしい。
2火舎香炉[hoya]
この香炉は唐代に於いて使われ始め、源は唐代の火鉢を転化応用したものと思われる敦煌壁画の唐代編に見るものは、蓋には宝珠を有し煙孔としての雲形の透かしは、供養雲海の義を表すという。普通に見る形は比較的広い縁にて、蓋は半球形をなし、多くは宝珠形であるが、変形型として獅子を乗せるものがある。
3蓮華形香炉[rengegata]
全体蓮華形で、炉は開敷蓮華、台座は反花蓮華である。蓋は子房を形どり,その中の蓮実に孔を開けて、煙孔としている。
4 蛸脚香炉[takoasi]
炉の形は円形で、種種の文様を施し、扁平の台は長短二様の脚数本で支えられ、いずれもその先端が屈曲し、炉全体が蛸の如き感じのするものである。この香炉は宋代に於いてかなり流行したものらしいが、私もいまだかって、中国でレプリカでさえお目にかかったことはない。

5 鼎形香炉[kanaegata]
この香炉は普通二種類あり、ひとつは耳のあるもので広い口縁部は首にいたって引き締まり、更に胴は著しく横に張りを見せ、その脹らみは三脚に至って締り、首の両端には大なる二個の耳を有し、獅子等を載せている蓋を有するものもある。もうひとつは形は同様だが、首に耳のないことが相違する点である。
この鼎なるものは本来仏教のものではなく、中国に於いては銅器で、物を煮る為に使用された。すなわち儒教、道教においては廟前で物を煮るのに用い、宋代の仏教が取り入れ、これを香炉として使用したと思う。
6 三足香炉[sannsoku]
この香炉は周囲が円形のもので、三足がついた物を言う。宋・元時代の仏教でこれを使用し、わが国には鎌倉時代末期ごろ伝来したらしい。
7 柄香炉[egouro]
この香炉はまた手炉ともいい、仏の供養、開経の時、経典を薫する為と自身を清めるために用いるそうだ。
8 釣香炉[turi]
この香炉は本来中国仏教の物で、座禅の時、旅行の時、あるいは山間で修行をする場合に木の枝などに釣って使用したそうである。恐らく唐末より元代において行われたのは、その時代の中国書の中から推測される、自分自身も耳付香炉の中で、耳に孔があいてるのを、見るが、なぜだろうと思っていたが、やっと理解できた。
9 象炉[sianru]
密教において秘密伝法灌頂道場で用いる道具の一種で、灌頂の際、秘密伝法を授けられる者が身を清める為、跨ぎ越える香炉だそうだ。

うん、そういえば中国映画の中で、秘密結社「チンパン、ホンパン」などに入るための儀式で見たことがある。もとは象の形から、羊や怪獣など、いろいろの形があるそうだ。
★ 香盆「香合」[koubon/kougou]
香盆は香を入れる器で、香合とも呼ぶ。材料は木、陶磁器、金属である。起源は恐らく、インドであろう「印度ガンダーラ彫刻の中に見れる」。
これが中国に香炉とともに伝わり盛行を見たことは、現在、敦煌の壁画に香炉とともに塔?「トウカン」が描かれているのを見ることができる。
普通に見る形のものに堆朱と鎌倉彫りとがある。堆朱とは木製品、金属品に種種の色彩の漆を幾重にも塗り、その漆に彫刻を施したもので、鎌倉彫とは彫刻をした、木製品に、数種の漆を塗布したものである。